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tag:文化

人の覚悟のほどを表すのに、サムライという言い方がある。命を賭して立ち向かっているか、不退転の心情でことに当たっているか。安全なんて保証できない瞬間がある。計画の立てようがない未知に飛び込まざるを得ない局面が必ずある。そこでどう振る舞うか。

by 江副 直樹

未熟な科学。

2023.2.12

最近関わったイベントのひとつに、神官の方が奈良の歴史を当地を巡りながら紐解くという企画があった。それはそれは、驚きと感心満載の講話だったのだが、僕の耳に残ったのは講和後の雑談だった。先生はポツリと、「神話を亡くしたらあきまへんで」と仰ったのだ。

by 江副 直樹

答合わせ。

2023.2.6

プロデューサーの最も大事な役割は、コンセプトとイメージの監修だと思っている。プロジェクトの背骨となるこのふたつを、ありとあらゆる伝え方を試みて、関係者に可能な限りシェアを図るのが、最初の大仕事だ。前者は編集方針、後者はビジョンに近いだろうか。

by 江副 直樹

近ごろ、やたらと聞くようになった。流行言葉のように、日々どこかで奏でられる、夢と希望に満ちたカタカナ。僕も仕事で使うし、事実ブランディングを行っているという自覚がある。一方で、世の中を見渡すと言葉だけが上滑りしているケースがなんと多いことか。

by 江副 直樹

いつの頃からか、狭小住宅に憧れている。必要最小限の居住空間。茶室のような住まいと言った方が、ニュアンスはより正確だ。「行く川は絶えずして」の出だしで知られる鴨長明の方丈記。後半は方丈つまりわずか3m四方の庵を編み、そこで暮らす決意が述べられる。

by 江副 直樹

何の因果か、プロデュースなんて仕事をしていると、人間の素性に向き合う瞬間が度々やって来る。難度の高いタスクを前にすると、きっと余裕がなくなるのだろう、ありとあらゆる感情や欲望が噴出するので、さながら人間博覧会だと笑ったことは、一度や二度ではない。

by 江副 直樹

視座の移動。

2023.1.13

難しい熟語を使ってしまったけれど、ニュアンスを最も伝えられるのは、この言葉だろう。仕事をしていて、あるいは学生たちと話していて、客観性の乏しさがとても気になることがある。視座が変われば、見えている風景が変わる。それが一巡しないと全体は見えない。

by 江副 直樹

雪が積もる朝は、音が消える。降り積む氷の結晶が吸音するのか、いつもの小鳥たちがどこかで雪を避けているのか、窓の外から音が聞こえない。そんな気配に積雪を予感して布団から飛び出すことになる。僅かにドキドキしながらベッドの上に立つと、果たして銀世界。

by 江副 直樹

ここ数年、家庭の事情で自炊生活が続いている。ひとりの時もあったし、いまは高校生の次男と2人暮らしだ。元々家事はちっとも苦じゃないし、加えて毎日の弁当を自分で作っていくような息子なので、男だけの生活とは言え、存外に快適に暮らしているんだけれど。

by 江副 直樹

珈琲野点。

2022.12.10

屋外の飲食は楽しい。何気ない食事も、数割増しで美味しくなる。BBQもそうだろうし、日常的に飲む珈琲でさえ、光と風を浴びながらいただく一杯は一際格別。茶道の世界にも、古来より野点という、戸外で喫茶を嗜む風流があった。肝心なのは、部屋から出ることだ。

by 江副 直樹

落葉曼荼羅。

2022.11.26

春の桜吹雪、秋の落葉。僕の心の中で、ともにもののあはれを伴う胸騒ぎを、毎年引き起こす自然の営み。この秋も、イチョウの黄、モミジの赤に翻弄された。樹上で染まり、散って地表を彩り、生気を失ってしまうまで、何度も何度もワクワクし、ドキドキした。

by 江副 直樹

背徳の一杯。

2022.11.19

できたらやらない方がいい。いや、なにがあってもやっちゃいけない。そんな想いでいるのに、何の巡り合わせか、予想外の体調変化か、それとも単なる気まぐれか。人はそんな罪深きカルマに襲われることがある。深夜の高カロリーフードは、その最たるものだろう。

by 江副 直樹

今度の年明けで67歳になる。紛うことなき老人の域。幸運にも心身共に健康で、相変わらず希望溢れる未来ばかりを見詰めているが、たまに来し方を振り返ることもある。改めて変わった人生だなあと思う。全く平均的ではない。奇矯で偏屈だけど、快適で幸福な日々。

by 江副 直樹

老々ハイク。

2022.11.5

今年で何回目になるだろう。9年程前におふざけで始めたここのえ低山部。キャッチフレーズは「標高と志は低く」。そこで気の置けない仲間たちと、山頂を目指さない気楽な山行きを楽しむようになった。その中でも人気だったのが、湧水で有名な庄内町男池の森。

by 江副 直樹

野暮は大罪。

2022.10.29

野暮をカジュアルに言うと、ダサい、かな? ダサいのって、良くないよね、という話。ファッションとかそういうのはまだいいとして、罪深いのは仕事を含む大事な局面でのダサいこと。野暮なこと。楽しさや美しさを後回しにする、余白の乏しさとでも言うべきか。

by 江副 直樹
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

by EZOE naoki

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