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視座の移動。

2023.1.13

難しい熟語を使ってしまったけれど、ニュアンスを最も伝えられるのは、この言葉だろう。仕事をしていて、あるいは学生たちと話していて、客観性の乏しさがとても気になることがある。視座が変われば、見えている風景が変わる。それが一巡しないと全体は見えない。

事象に関わるすべての立場をシミュレーションしなければ、正確な状況の把握はできない。あらゆるプロジェクトは、多様な人々との関係の中で進んでいく。概ね思惑はバラバラで、利害も異なる。それぞれが自分の責務を全うしようともがくときに、感情が絡む綱引きが起こる。各自が違った風景を見ていては、成就なんて覚束ない。いかに視界を揃えるか。
コンセプトやビジョンの重要性はここにある。それらの共有がうまく行けば行くほど、プロジェクトの成功率と完成度が高くなるのだが、視点の硬直がそれを阻害する。明暗を分けるのは、抽象思考の巧拙だと思っている。相手の立場になって考えろ、とは、子供の頃、親や先生に随分言われたフレーズだ。先生、大人になってもできない人がいっぱいいますよ。

眼鏡を与えるのも、プロデューサーの仕事?

by 江副 直樹 2023-1-13 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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