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冷え込む朝が多くなってきた。周囲の山々は紅葉のピークを越えつつある。冬近し。

赤や黄色の葉が目立つ紅葉は、季節は色を失う準備でもある。常緑の緑と相まって、気温低下と共に豪華な綾錦が広がっていく。紅葉は移り変わる色の変遷を見上げることが多いが、落葉の果てに地表を覆った頃も得も言われぬ風情に包まれる。特に目立つのはイチョウ。

モミジは紅葉の初期から主張するのだが、最初はうっすらと色づき、日を重ねるに従ってその黄色味を段階的に強めていくのはイチョウだ。大木も多いから、ピークを迎える頃には、遠くからでも極めてよく目立つ。大器晩成の趣。加えて、地面にハラハラと落ち始めて、辺り一面が見事な黄色で埋め尽くされようになると、圧倒的なイチョウの世界になる。
言うならば、イエローマジック。誰もいない大イチョウの下に佇むのは贅沢の極みだ。もっとも、その樹が雌株なら、ギンナンもそこら中に落下してくる。鎮守の森の奥にばらまかれるあのギンナン、来年は片っ端から集めてきて、日本酒のアテにでもしてやろうかなどと思わぬでもない。まあ、そんな企みは横に置いて、しばらくはこの魔法に浸るつもりだ。

今日は阿蘇で世界農業遺産認定にまつわるイベント。僕は商品開発などのレクチャーを。

積雪の興奮と似ている。黄色は元々好きな色なので、さらにテンションが上がる。

山茶花が咲く時候でもある。毎朝通っても、毎回踏みしめたくなるのは子供だから?

散歩の終盤に待っている豪華絢爛。右手の樹は雄株なのでギンナンはない。

境内の大イチョウ。おみくじ売り場の屋根に降り積む。青空バックに朝日に照らされて。

by 江副 直樹 2014-11-14 22:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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