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貧乏は我慢できるけど、貧乏臭いのは許せないという言い方がある。とても腑に落ちる。誰もが心の奥底ではカッコ良くいたいとか、美しく生きたいと思っているはずで、ダサいのはいかにもイヤなのだ。僕の解釈では、ダサいと野暮はほぼ同義。野暮はいかんよ、野暮は。

冗談、ジョーク、ユーモア、エスプリ、頓知、諧謔等々、機知に富んだ会話のスパイスは、古今東西に存在する。思うにこれは、野暮から遠ざかろうとする振る舞いが、半ば作法に昇華し、文化の様相を呈した事例なんじゃあるまいか。欲望を表すだけの言葉、必要を伝えるだけの情報、機能だけの道具。そこに笑いや遊びや美があれば、状況は大きく変わる。
恋愛は性欲の詩的表現と芥川竜之介は言ったし、Apple製品の人気もまた美しさと遊び心に集約されそうだ。ファッションはその最たるもので、機能だけなら孔雀の羽根は要らない。服は暑さ寒さを凌ぐ単なるシェルターとは違う。伊達の薄着とはまさに至言。釣りも酒も芸術も無くても生きていける。だが、幸福や豊かさは間違いなくその辺りにあると思われる。

じゃあ、僕がそれをできてるかと問われると。

by 江副 直樹 2024-2-18 19:07 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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