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優しい社会は優しさでは作れない。僕が良く言う繰り言。強くなければ優しくはなれない。と続く。今日8月6日は、広島に原爆が落とされた日。3日後には長﨑にも同じ悲劇が刻まれた。疑いのないホロコースト。しかし、なぜそんな状況に陥ったのか。50年前の衝撃。

高3の夏、僕はバスケ部を勇退し、前から決めていた読書に耽るために図書室通いを始めた。片っ端から乱読し、僕の図書カードは何度も更新された。そんな日々、目に入った一枚のモノクロ写真。プロレタリア文学の旗手小林多喜二の特高警察による拷問死、その亡骸。得も言われぬ恐怖と驚愕。西陽が当たる図書室の一角。あの日射しの色は忘れられない。
何故?何故?僕は考え続けた。それから歳を重ねて、答らしき視点に行き着く。決して悪人の所業ではなく、名も無き善人の弱さこそ原因ではないか。異端を恐れる弱さ、権威や武器を欲しがる弱さ、意思表示を避け、消極的支持で事態を悪化させる弱さ。以来、僕は弱さを憎んでいる。心のない優しさは敗北に似てる。ブルーハーツも歌ってる。罪深きは弱さだ。

グロテスクで恐縮だが、目を背けて欲しくない。

by 江副 直樹 2023-8-6 21:09 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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