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立ちん坊。

2024.3.7

多分、高校3年時。バスケ部を勇退して、やりたいことがいくつかあった。図書館通いはそのひとつだが、もうひとつはアルバイト。それは、友人がやっていた立ちん坊という肉体労働。街のある場所にやって来る手配師の提示する条件を選び、現場に行く日雇い仕事。

ある日友人と共に、当時住んでいた北九州市某所の○○公園に行くと、オジサンたちがすでに集まっていて、僕らもその群れの中に入った。手配師のクルマが次々にやって来て、仕事内容と場所と金額を叫びながら人を集める。僕らは、港湾の荷下ろしの仕事を選んでクルマに乗り込んだ。港には、タンカーのような船が泊まり、船底にはドラム缶が並んでいた。
クレーンから降りてくるフックを、そのドラム缶に掛けるのが僕らの仕事だったが、オイルが詰まったドラム缶は重く、フックが外れて轟音と共に落下することもあった。「オマエらはせんでええ」と、少年の僕らを危険な作業から遠ざけてくれるオジサンたちがカッコ良かった。すべての仕事は頭脳労働だと気づいたのもこの頃だ。およそ50年前の記憶が甦る。

オジサンたちのあの優しさは一生忘れない。

by 江副 直樹 2024-3-7 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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