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大分県日田市にある大原天満宮のそばに住んで、もう11年目になる。周辺の渓流にヤマメ釣りで訪れ、惹かれ始めて30年を超えた。地元の人々とも繋がって、距離は次第に縮まり、同じ生活圏の隣村で過ごした12年を含めると、日田との関わりはとっくに20年以上だ。

そして10年前、縁あって境内のようなこの場所に家を建てた。数メートルの道を隔てて神社と接している。神道への関心が高まっていたこと、重ねて鮎の川まで5分というロケーションが決め手だった。朝の散歩は村時代からの習慣で、いまも毎朝百段階段を上がって1日が始まる。小高い大原山を覆う鎮守の杜が僕の遊び場で、ジョグもこの尾根道を往復する。
役場や高速バスの停留所まで数百メートルというのに、蛍が飛び、疎水にはシジミが、森にはキツネが棲み、アオバズクが啼く。夜は漆黒の闇が広がり、静寂に包まれる。思索にこれほど適した場所もあるまい。縁もゆかりもないこの田舎町の、あり得ないような場所で僕は暮らしている。導かれたような気もする。夜が明けたら、またあの階段を上がるのだ。

まずはここから。手前も入れると117段の大階段。

この楼門をくぐって本殿へ。朝陽が神々しい。

創建は704年。実に1300年が経っている。

季節ごとの神事が執り行われる。これは粥占い。

春、一面に菫が咲くので通称菫神社の雪景色。

秋、随所で紅葉が始まる。春夏秋冬の美しさ。

by 江副 直樹 2023-9-25 11:11 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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