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これは、自分がいま持っていないモノを欲しがるという意味ではない。この世の中にいまだ存在しない何かを欲っする心情のこと。創造性って、要はここなんじゃないかと思う。見たことのない何かを想像し、それを現実化したくなる欲望と能力のカタチがきっとある。

ここにはなくてあそこにある何物かを欲しがるのは、幼児の本能的我欲にも似て、あまり知的とは言い難い。また、あらゆるローカルにはびこる世迷い言、「ここにはなにもない」は、恐らくしつこく絡みついたこの心的背景と言っていいと思う。因みに、僕の田舎者の定義は、宝が外にあると考えている人のことだ。宝は常に足下に埋まっているんだけどね。
そして、その足下をさらに掘り進めると、いつかそれは普遍に至るのだが、創造的無いものねだりとは、この掘削衝動とほぼ同義なのだ。そんなわけで、できることなら、僕はいつも、何においても、ひたすら無いものねだりをしていたい。モノでも、コトでも、仕組みでも、思考でも。すでにどこかにある先行事例を追いかけるなんて真っ平御免。ダサ過ぎる。

どこにでもある竜の玉。見つけるのは探してる人。

by 江副 直樹 2021-1-6 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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