ここから本文です

朝夕の色。

2024.3.19

春はあけぼのと言ったのは、枕草子の清少納言だったか。これは、夏は夜。秋は夕暮れと続く。なるほどと頷くことも多いけれど、季節を問わず、僕は夜明けが一番好きで、次に夕暮れが来る。明暗が入れ替わるこの時間帯は、どこか不思議で特別な感情が付きまとう。

夜明けは、闇が少しずつ薄れていき、徐々に明るさが世の中を支配していく。先の曙や暁などとも言う。一方夕暮れは、それまで世界を照らしていた光が、刻々と乏しくなりどことない寂寥感や静かな畏れが満ちてくる。その境界を表す逢魔が時という言葉もある。英語でも、朝夕のこの時間帯を表現は多岐に渡る。それだけ胸に迫る万国共通の情感なのだろう。
ある日の早朝。今朝も暗いうちから起き出して、エスプレッソを淹れてPCの前に座る。闇だった窓の外が得も言われぬブルーに変わり始める。そんな日は必ず晴れ。ある日の夕方。熱波に襲われた日中の気温が下がり始め、西の空がオレンジに染まると、ビーサンを突っかけ夕焼けに染まりに行くことがある。夜明けと夕暮れ。実はとてもよく似ている日常の色。

ある日の早朝。高千穂へ向かう道すがらの阿蘇。

時々ジョグをするグラウンド越しに西を眺める。

 

by 江副 直樹 2024-3-19 18:06 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

by EZOE naoki

Archives

◎2006年3月 → 2010年8月