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教室にて。

2023.6.18

長く教えているデザイン専門学校の授業は、雑談余談を重視している。柱は、いくつかのテーマに沿った僕の仕事のケーススタディなのだが、切りが悪く間が空いたりすると、迷わずそんな時間になる。入り口は枠をはめない質疑応答。なんでもありというのがポイントだ。

先日、ひとりの学生が「校則についてどう思うか?」と問うてきた。僕は、近ごろの校則事情を聞いた上で、高校時代に自分が長髪問題で騒いだこととかを話しつつ、50年間ほぼなにも変わっていないことに気づかされた。当時は、理不尽やそれを肯定する教師と対峙しながら、こんなことはいまだけで、未来は好転するとボンヤリ思っていた。それがどうだ?
なにひとつ変わってない。人間の意識なんて、そうそう変わるものじゃないんだなと、学生たちと話し合った。いや、現代日本の病状なのかも知れないとも。ところで、デザインの授業でこの話題は意外に思われるかも知れないが、こうした思考や経験の有無は、デザインの厚みと深さに大いに繋がっていくと考えている。果たして学生たちは、何を思ったか。

珈琲と菓子が行き渡れば、授業が始まる。

by 江副 直樹 2023-6-18 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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