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たまにTVCMを見て、決して多くはないが、面白いなあと感心することがある。コピー、デザイン、演出、企画。クリエイターの端くれとして、うまいなあと唸らされることがある。ただ、ふとその世界観が、缶コーヒーを売るためなのかと気づき、急に切なくなったり。

缶コーヒーを貶めてるわけではない。素晴らしい短編映画のような佳作を観たエンディングが、素敵でしょ?だからこれ買ってねというメッセージとわかり、哀しい気分になる。いまから30年前、僕が広告から離れようと決めたきっかけもそこにある。コピーもデザインも、売るためだけの技術じゃないと強く思った。そしてそこから、視野が大きく広がった。
もっとも、地域系プロジェクトに主軸を置いたとしても、広告や販促から逃れられるわけではない。それはわかっている。それでも、クリエイティブは想いを可視化し、感覚野に訴える、非常に有効なスキルだと考えていて、であれば環境改善にも、紛争解決にも、貧困打開にも役に立てるはずだと信じている。僕の才能の使い途は、果たして大丈夫なのか?

黄金虫だったら良かったのに。蜜を吸うカナブン。

by 江副 直樹 2021-9-1 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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