戦術の固定。

戦略と戦術。この違いを明確に自覚している人は、意外と少ないのかも知れない。何十年も、それが同じじゃなく、加えて戦略の重要性を説き続けた身としては、「誰もがわかっているわけではない」ことがわかっただけでも、時を経た意味はあったのかと思っている。

その多くは戦術ばかりになる。OSじゃなく、アプリの話ばかりになる。ブランディングじゃなく、プロモーションの話ばかりになる。どの山に登るかを決めて安心していたら、登り方をやたら問い詰められる。「あ、それはしょっちゅう変わるんで」なんて言うと、相手はなぜか焦り始める。計画は可能な限り緻密に組み立てたいらしい。いや、それは違う。
枝葉を集めるんじゃなく、根っこと幹を整えようよ。花も実もそっちの方が多く付く。細部を決めて行けば、自動的に全体ができるわけじゃないんだ。戦術を固定しちゃあダメ。方向を決めたら、あとは風に任せてればいいんだよ。波と風を読んで、帆を掛ければいい。どんな波が立ち、どんな風が吹くか、それは朝が来るまでわかんない。さあ、酒でも呑もう。

方向性の決定には、根拠も理由もあるんだけどね。