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応用、転用。

2022.2.13

気づけば、もう長いこと「編集」と言い続けている。便宜上、プロデューサーを名乗っているが、本音は編集者だと思っている。ただし、広義のそれ。ページもののコンテンツの話なんかではない。まったくない。対象はあらゆる事象に及ぶ。ホントになにからなにまで。

そしてその編集の実態は、組み合わせのやり直し、つまり組み換え、応用、転用、流用。これらを駆使して、絡まって閉塞した状況を変え、目に見えないほどの小さな種を大きく育てる仕事。それがプロデュースだ、と僕は勝手に決めている。それぞれの分野で積み上がった知恵の集積を、軽やかに越境しながら組み合わせを変え、新しい何かを生み出すのだ。
山と山は麓では接していても、標高が上がるに従って、その距離は確実に離れ、頂は遙か彼方。異分野の交流が難しいのはここ。専門性の井戸を掘れば掘るほど、上空は狭くなることと相似。編集の成否を握る応用転用は、詰まるところこの乖離を埋めることにある。答は、常識の先にはなさそうだ。だから、非常識と異形とヘンタイに期待が集まるという図式。

ほら、こうやって頂上は離ればなれになる運命。

by 江副 直樹 2022-2-13 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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