和を以て貴し？

このブログは、基本時事ネタは扱わない。時間が経って読んだとき、意味が通じないのを避けるためだが、例外もある。最近、広島県安芸高田市の石丸市長対議会の対立が話題になっている。僕もYOU TUBEで何度か拝見したけれど、過去ここまでの衝突は見たことがない。

地元中国新聞を始め、多くのメディアはしたり顔で、バトル自体を問題視するが、一方で世間の注目度は異様に高く、市民アンケートでも市長支持が大半を占めた。僕は大いにやって欲しいと快哉を送っている。行政をアップデートしようとする市長と過去と現状を無自覚に肯定する議会の応酬は、哀しいほど滑稽だ。そしてこれは、全国の地方の縮図でもある。
聖徳太子の十七条憲法や孔子の論語にある「和を以て貴しとなす」は、日本人の心の底に染みついた教えだろう。しかし、議論そのものを避けることと早合点した弊害が、いまこの国を衰退させていると僕は診ている。安芸高田市の事例は、本当の和に到達するためのとても重要なプロセスだ。僕らの国はこのシリアスな分岐をどちらに進んで行くのだろうか。

いきなり仲良しこよしなんてかえって理不尽だ。