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劣化コピー。

2020.7.30

時代の中で生まれてくる新しい言葉って、どこかの誰かが、考え、思いつくものだ。僕自身も、自分が出会う多様な事象を、なんとか言葉化しようとする衝動を日常的に持っているが、してやられたと思うこともたまにある。最近だと、「劣化コピー」もそのひとつ。

優れた表現というものは、およそ直観的に理解される。四の五の説明は要らない。いきなり、芯を食う。劣化コピーを最初に見たときは、模倣の連続が質を落とす、と読んだ。その感覚が内部にすでにあって、物事はコピーの繰り返しで劣化するという炯眼に感服。甚だ同感。うまいこと言うじゃん。同時に、ありとあらゆることがアタマに思い浮かんでくる。
オリジナリティは原本。パクリの連続で本質が薄れる。伝統の継承では、劣化コピーをさせまいとして硬直化するのかも知れない。遺伝で別の血を欲しがるのは、生物学的劣化コピーの本能的回避なのか。等々。なぜ直観的にニュアンスが理解されるか?古今東西、誰もが見聞きしていることを、旬の言葉に換えることができたとき、僕らは大きく頷くのである。

コピーのコピー、物真似の物真似ってことだよね。

by 江副 直樹 2020-7-30 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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