余計な一杯。

時々呑みに出掛ける。そして、ここが適量とわかっちゃいるけど、ついもう一杯とやってしまうのはなぜ？気の置けない仲間と硬軟取り混ぜた馬鹿話と共に呑む酒は、最高に美味しく楽しい。酒は決して強くはないし、たかが知れているけれど、やっぱり今夜ももう一杯。

そもそも酒は嗜好品。呑まなくとも生きていける。なんなら呑まない方が健康指数は上昇しやすい。金も掛かる。時間も取られる。しかし、それは野暮というものだ。栄養摂取だけが飲食の目的ではない。採算だけが営みの指針ではない。余白、遊び、一見生産性のなさそうな行為が結局人生を豊かにする。釣りなんてその最たるもの。僕はどちらも捨てがたい。
そんなわけで、今宵もイカれた悪友たちと酒杯を傾ける。会話はあっちへ飛びこっちへ飛び、浅くなり深くなり、心地よさだけが大きくなり、すっかり酩酊に身を任せて時が積み重なる。もう僕の酒量は限界に近づいているのに、ここで終わるのはゼッタイにいやだとか思い始めて、きっと呑み切れない最後の一杯をオーダーする。悪魔のプレゼントに乾杯。

日田。

竹田。

由布院。

延岡。