聞き過ぎない。
2013.9.9朝が随分と涼しい。散歩で玄関ドアを開けるのが楽しみだ。雨が秋を連れてくる。
お前は素直かと聞かれると、即座に頷くなんてできない。到底できない。なんでも眉につばをつけながら対峙するのは、生理というのか、習い性というのか。騙されないように身を固くしていると言うことではない。こちとらペテン師まがい、立場が逆だ。
常に話の芯を掴もうとするのは、本能に近い。特にそれが仕事なら、最短でそこに辿り着きたい。その想いが祟って、相手の言葉にかぶり気味に発言するのは、実に悪い癖なのだが、それはともかく。話の本質を掴もうとすると、一般に人の会話というのは、僕も含めて不要な雑情報が非常に多い。つまり、整理をされずに言葉になるのが当たり前。
勢い、整理はこちらの役目になる。このときの勘所は、先方の言い分を聞き過ぎないこと。真意を掘るとも言う。言葉を掻き分けながら、相手がなにを伝えたいのか、感度の目盛りをマックスにする。すると、表層の言葉の流れに隠れた伏流水が見えたりする。相手は、それを伝えたくて、百の言葉を投げるのだ。丁寧なヒアリングとは聞き過ぎないこと。
今日から東京。それにしても、〆切はいっこうに減らないぞ。なんとしたことか。
by 江副 直樹 2013-9-9 22:10