朝陽に霜をかざす。
2013.1.19昨日の積雪は溶けるのも早かった。もっとも、分母庵の回りはいまだ残雪あり。
冷え込んだ朝、霜の鑑賞は、いまや冬の楽しみのひとつとなった。周囲が白み始める頃、霜が降りた日は、屋根や畑が薄雪を被ったように見える。放射冷却が激しいほど、霜は立派なものになる。砂糖粒を思わせる類、針状に延びていく類。そのかたちはさまざま。
僕は主に植物の葉で結晶する霜に目が行く。霜の形状は、どうやらその葉の形に由来するらしい。水分は地中から吸い上げられ、茎や葉の導管を通って、葉の表面から大気中に蒸散するわけだが、そのとき気温が氷点下だと次々に氷になり、得も言われぬ造型を織りなしてくれる。深夜から早朝にかけて、結晶は少しずつ大きさを増していくようだ。
暗い時間に照明が当たると、一帯の霜はガラス粉をまぶしたようにキラキラと光を放つ。なんとかそれを写真に撮りたいのだが、うまくいかない。そうこうしているうちに、東の空が明けていき、直接朝陽が差すようになると、霜の結晶は一段と華やかに光る。夥しい結晶に当たった光が拡散する様はゴージャスの極み。それは束の間のドラマの終焉でもある。
今日は比較的ゆっくりだが、明日は急遽2組のお客様がご来庵。あまり寒くならぬよう。
by 江副 直樹 2013-1-19 21:09