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昨日の積雪は溶けるのも早かった。もっとも、分母庵の回りはいまだ残雪あり。

冷え込んだ朝、霜の鑑賞は、いまや冬の楽しみのひとつとなった。周囲が白み始める頃、霜が降りた日は、屋根や畑が薄雪を被ったように見える。放射冷却が激しいほど、霜は立派なものになる。砂糖粒を思わせる類、針状に延びていく類。そのかたちはさまざま。

僕は主に植物の葉で結晶する霜に目が行く。霜の形状は、どうやらその葉の形に由来するらしい。水分は地中から吸い上げられ、茎や葉の導管を通って、葉の表面から大気中に蒸散するわけだが、そのとき気温が氷点下だと次々に氷になり、得も言われぬ造型を織りなしてくれる。深夜から早朝にかけて、結晶は少しずつ大きさを増していくようだ。
暗い時間に照明が当たると、一帯の霜はガラス粉をまぶしたようにキラキラと光を放つ。なんとかそれを写真に撮りたいのだが、うまくいかない。そうこうしているうちに、東の空が明けていき、直接朝陽が差すようになると、霜の結晶は一段と華やかに光る。夥しい結晶に当たった光が拡散する様はゴージャスの極み。それは束の間のドラマの終焉でもある。

今日は比較的ゆっくりだが、明日は急遽2組のお客様がご来庵。あまり寒くならぬよう。

クヌギの葉に霜。

積み重なっているクヌギの葉も、霜に覆われている。色はないがとても美しい。

セイタカアワダチソウ。

セイタカアワダチソウの枯れた綿毛に雪のように付いた霜。花のようにも見える。

特大の霜。

植物の種類がわからないほど、大きく覆い尽くした霜。長さは5mほどもある。

リュウノヒゲ。

土手に生えたリュウノヒゲにもびっしり。この折り重なった感じも豪華で好き。

by 江副 直樹 2013-1-19 21:09 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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