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御用聞き。

2020.5.13

お客様の声というのがある。有権者の声もそれに近い。ニーズと言ったり。それを聞くための行為をヒアリングと呼んだり、リサーチもその類だろう。昔の日本語なら御用聞きだ。そしてこの御用聞きの有り様が、本質から外れる危険を想像以上に抱えているのである。

お客様第一主義なる言葉が、世を席巻した時代があった。だが、客の希望にひたすら添えばいいという発想は、プロの存在意義さえ見失う。客の言葉面を再解釈もせずにそのまま受け入れては、客が伝えたかった真意を高い確率で取りこぼすだろう。素人の少ない語彙で構成されるフレーズは、プロの膨大な語彙によって正確なニュアンスに翻訳されねばならない。
ここが実行できているか否かは、次の段階で大きな差を生む。言う通りに致しましたとなるか、相手の期待を上回る提案になるか。提案が伴わない仕事は、必然的に価値の乏しい内容になる。それが真意を掘り出す質の高い御用聞きか、オウム返しのような中身のない御用聞きか。これは未来を分ける一大事。皆さん、耳障りのいい御用聞きに騙されないように。

真意が聞こえるデバイスなんてあると面白い。

by 江副 直樹 2020-5-13 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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