お月見会の夜。
2012.10.15例年よりも気温が高いらしい。長袖シャツだけでも一向に心細くなる気遣いがない。
東京から戻ったその夜、地区の子供会でお月見会が開かれた。過疎の村ならではの少人数で、今年は10人を切っているが、それはそれでこぢんまりとまとまって、大きな家族のようなのどかな空気が心地よかったりもするのである。さあ、月は現れるか。
子供会でなくとも、過去何度か月見をしたことがある。福岡郊外のマンション住まいの頃、ベランダにとどまらず、公園や高原に出向いて、観月としゃれていた。花見もそうだが、花鳥風月を愛で、季節を自然の儚さに見出すこの国の文化は、世界に誇るべき価値基準だと思っている。子供会の行事に、お月見があるなんて、なんて素敵なことなのだろう。
僕らは普段、カレンダーと時計の数字に縛られている。しかし、そんなこととは関係なく、自然は着実に時を刻む。いわし雲が出て秋を知るとか、梅が開花したからヤマメは毛鈎を追うとか、あの山に雲がかかれば夕立だとか、自然の移ろいがまさに歳時記となり、営みのよすがとなることの素晴らしさ。その夜、山間の小さな集会所でそんなことを考えた。
今日は次期九州ちくご元気計画の打合せ。いよいよだ。明日は久しぶりに佐賀へ行く。
by 江副 直樹 2012-10-15 21:09