循環こそ鍵。
2025.6.29鮎の友釣りは、俗に循環の釣りと呼ばれる。やってみると、身に染みる言葉である。友釣りは、鮎の縄張り意識を利用して、囮の鮎に鉤を忍ばせ、体当たりしてきた鮎を掛けてしまう実に変わった釣法だ。最初の囮は、釣具屋で養殖鮎を購入するという滑稽はともかく。
その囮鮎を後生大事に囮缶で川まで運び、曳き船に移し替えて釣りが始まるのだが、生け簀で育った養殖鮎は、速い流れの中になかなか入って行かない。それをいかにポイントに誘導するかは釣り人の腕に掛かっている。川で泳いでいる鮎を野鮎と言うのだけれど、その最初の一匹が掛かるかどうか、ここに釣り人の運命が凝縮される。好循環が始まるか否か。
運良く野鮎を手にできれば、状況は一変する。囮となった野鮎は激流もものともせず、グイグイ流心に泳いでいく。その瞬間、また別の野鮎がアタックし、恍惚の連鎖が始まる。この最初の一匹が掛からなければ、囮は徐々に弱り、野鮎が掛かる確率は急減する。悪循環に陥ると幸福はじわじわ遠のく。嗚呼、循環の善し悪し。なんだかこれ、人生と相似型の如し。
by 江副 直樹 2025-6-29 10:10




