6年ぶりの筏。
2018.8.28三隈川にまた筏が浮かんだ。黒岩橋のたもと、3隻が進水した。主宰はヤブクグリ。筑後川リバーフェスタの賑やかしに誘われて。折も折、ここ数年、今後の活動を検討する中、折しも原点回帰を考えていたヤブクグリの思惑とうまく重なった。6年ぶりの筏だった。
林業の町日田は、古来数多くの林家と製材所がひしめく、杉の土地だ。かつて日田杉は、全国に名を馳せた。同時に、山から流れる幾筋もの渓流と、それを集めた大河筑後川が貫流する場所。切り出された日田杉は、筏を組んで最下流まで運ばれ、以後は海運に託されて各地へ届けられた。6年前のヤブクグリ発足の際、その再現として筏案が浮上した。
メンバーに、材木市場、製材所、林家、各種デザイナー、画家など、多彩な人材を揃えるヤブクグリは、建築家が浮力計算をして、その設計に従って当日組み上げたものだ。だが、今回はよりシンプルな構造で製作の合理化を図った。2日間で何度か漕ぎ出した。川に浮かぶという直接的でわかりやすい快感の中で、次のヤブクグリのことをボンヤリ考えていた。
by 江副 直樹 2018-8-28 23:11