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早朝、一瞬晴れ間が覗いたが、その後はずっと曇天で、時折ぱらりと雨が落ちた。

昨日から、引っ越しの片付けで、家族総出で分母庵にお泊まり。多分、みんなで泊まるのはこれが最後。いよいよこの村とのお別れが近づいてきた。終わりがあれば始まりがある。これは古今東西の世の習い。先頃、この村の小さな駅舎で、新しいカフェがオープンした。

「駅喫茶 匙加減」。オーナーは地元で生まれ育った井上佳子氏。僕らはずっと、よし子ちゃんと呼んでいる。彼女との出会いは、随分前に村に移住した東京のグループ、記録制作 手仕事舎で。彼らは、宝珠山小劇場と称する不定期のイベントも催していて、村に来てからは、それはお世話になったのだが、よし子ちゃんはそこのスタッフとして知己を得た。
とてもさばけた人物で、いつも現場の中心で、手仕事舎を牽引していた。その手仕事舎は、この春20年近い歴史に幕を下ろした。偶然にも、同じ頃に僕らの引っ越しも決まって、大きな寂寥感に包まれたのだけれど、そんな中よし子ちゃんは地元を貫通する日田彦山線の大行司駅で、手仕事舎の空気を引き継ぐ素敵なカフェ開業を企んでいた。開業、おめでとう。

明日はヒタモノつくりの会議を経て、引き続き分母庵で片付け作業が延々続く。

木造の質感がいい。

そもそも風情がある日田彦山線。その駅舎にカフェなんていい発想だ。また行きたい。

よし子飯登場。

手仕事舎の料理は定評があった。ナチュラルで美味しかった。器は小石原辰巳窯。

滋味溢れるレシピ。

仕事が忙しすぎたとき、よし子ちゃんにご飯を作ってもらったことがある。旨いんだ。

時々寄りたい。

この路線と共に、徐々にファンを増やしていくに違いない。村へ戻る理由ができた。

 

 

 

by 江副 直樹 2013-9-29 22:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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