
青空恋しや。
2014.7.12過去最大級と謳われた台風8号は、拍子抜けするほどで、ホッと胸をなで下ろした。
今季の梅雨は、前半さえさほど降らなかったが、ここへ来てやたらと雨粒が落ちてくる。抜けるような青い空はとんとご無沙汰で、きっと毎年嘆いているのだろうけど、早く梅雨が明けないかやきもきしている。鮎釣りにしても、理想は入道雲湧く夏空の下だから。
雲ひとつない青色が、視界の端から端まで広がっているのも気持ちがいいが、濃い碧を背景に白い雲が浮いているのも捨て難い。刷毛で掃いたような雲もいいし、曲線が連なるさまを坊主に喩えた積乱雲も雄々しくて夏らしい。山々の緑は深さを増し、蝉時雨が盛りに入る頃。川に立っていると、目眩を誘うような光が溢れ、日射しはシャツを突き抜ける。
それでも、命はエネルギーを最大にして、輝く季節。鮎の体躯は日に日に逞しくなり、黄色い追い星は鮮やかになって、縦横に流れを走り回り、竿先はもうハラハラするほど叩かれる。その先に気配を見せる秋への峠を目前に、夏は朝が来るごとにページをめくるのである。雨が続く陰鬱な空を見ていると、ついついこんなことを考える。恋しや青空。
明日も雨の予報。宿題はいくつもある。ノンビリもしたい。釣りの準備は万全か?
by 江副 直樹 2014-7-12 22:10