言うべきを言う。
2012.8.1835℃越えさえ当たり前のお盆前後。そして、夕立と言うには激しすぎる通り雨。
8/15の朝、空には見事なうろこ雲が現れた。地表が熱せられていても、上空では秋が忍び寄る証。戦後70回になんなんとする終戦記念日。普段口にはまず出さないが、現在の僕のあり方を決めた1枚の写真を思い出す日。北九州、高校3年の図書室で受けた衝撃。
本のタイトルも覚えていない。堅い扉を開いた数ページ目にあったモノクロ写真。褌1枚で横たえられた男性の遺体。注釈には、下半身を中心に赤黒く腫れ上がっていたとあり、その凄惨さに息を呑んだ。名を小林多喜二。プロレタリア作家としては知識にあったが、それが特高警察の拷問によって死に至った事実を知り、心の奥底で何かが音を立てた。
その後の開戦。そして敗戦。むごたらしい負の記憶。そもそもなぜそうなったのか。問い続けることは習慣になった。結論めいたものがあるとすれば、「善人こそ人を殺す」。一般の悪事はともかく、戦争のような事態は、消極的な支持こそが元凶だと思い至る。言うべきを言うことの重大さ。言うべきをいかに言うか。知恵と勇気はそこに注ぎたい。
明日でお盆休みも終わり。子供の水泳大会にかこつけて家族でミニ旅行。
by 江副 直樹 2012-8-18 22:10