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週末の日田は雨上がり。こぼれ始めた枝垂れ梅にたわわの雫。春の雨。

朝の散歩はもはや暮らしの一部。身体と精神のコンディションに深く深く関わっているように思う。心地よいから歩きたくなり、気持ちいいから続けている。その最たるものは、瑞々しい大気。夥しい朝露が草木に降りて来て、水を含んだ空気が肌を撫でる。

朝露、それは前夜から途切れなく大地にベールをかけた夜露のこと。朝露の多さは、山暮らしで認識を新たにした。まるで雨が降ったように、大小の水滴で覆われる朝。草花はもちろん、家屋も、クルマも、道路も、すべてがたっぷりの水をかけられたようになる。現在の日田大原はそれほどではないが、充分にしっとりとしている。さあ、写真を撮りに行こう。
マクロモードから見えるその世界は、想像以上に儚く麗しい。陽が上がれば、たちまち雲散霧消。何事もなかったように風景は変わる。それまでの朝の一刻、道すがらあっちこっちへ座り込み、シャッターを押す。肉眼では見えない微小の水滴も、iPhoto画面なら見事に見える。エスプレッソを啜りながら、先ほどの道行きをまた反芻して楽しむのである。

明日の低山部に始まり、九重、大阪、日田、上毛をぐるぐる。楽しいぐるぐる。

ホトケノザの細長い花弁は、ピントが合いづらいのだが、朝露を戴いたこの時はなんとか。

たくさんの蕾に抱かれた水の固まり。蒸発するのか、吸収されるのか、その両方なのか。

朝、ナズナの小さな花はまだ俯いている。簡単に見過ごしてしまう普段着の小宇宙。

今年初めて見つけたキンポウゲは、花弁の裏まで水滴を溜めていた。透明感が美しい。

 

 

 

 

by 江副 直樹 2015-2-22 22:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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