緑がなければ。
2019.1.18山の中で育ったわけではない。南の島が性に合うと思い込んだ時期もあった。縁あって、山上の過疎の村に12年暮らした。そこで腑に落ちた。心身がそこに馴染む。僕は山の人だったのか。そう言えば、釣りはヤマメと鮎、どちらも中流以上の山の中。わからないものだ。
いまもすぐそばに森がある。山がある。窓を開けたら、緑が見える。朝は鳥の声。夜はフクロウの啼き声を聞くことも度々。初夏には蛍が舞う。夜の散歩で光を数える。サワガニもいる。村に比べれば、街にも近い。けれど、川にも近い。鮎の川までクルマで5分。村にいたときより近い。釣りは仕事の合間に行くようになった。夏、川では何度も鷹の飛翔を見る。
北九州や福岡でも暮らした。でも、僕には森や山や川が必要なようなのだ。釣り場の近くに住んで、全国へ出かける日々は、もう20年に及ぶ。最近は福岡くらいなら、少し無理をしてでも帰るようにしている。翌朝の散歩は緑の中を歩きたいから。景色が違う。空気が違う。気分が違う。本当はもっと山の中に行きたいんだが。日田暮らしはもうすぐ7年目に入る。
by 江副 直樹 2019-1-18 22:10