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秋よ春よ。

2019.10.15

鮎釣りが終盤を迎え、川の色は澄み始め、川面を滑る風はいつしか涼風に変わる。朝晩は、めっきり気温を下げて、日課の朝の散歩は、半袖から出た腕やビーサンの素足が冷たく感じ始める頃。そんなとき現れる大好きな花がある。金平糖を散らしたようなミゾソバだ。

赤に近い紫と白で構成される花は、紡錘状の蕾の固まりがすでに花の趣があるが、そのひとつひとつがまた開花するのである。文字通り溝のような場所に群落を成し、黄緑の葉と茎の上に多くの花が付く。茎が長いので、秋風に揺れるリズムはゆっくりに見える。雑草を地で行くネーミングだが、その可憐さは春のオオイヌノフグリに迫っている。秋は、ミゾソバ。
一方、春筆頭の草花は、そのオオイヌノフグリ。ネーミングの残念さは花を見るたびに思い起こされる。しかし、不憫に想う方もいらっしゃるのか、瑠璃唐草の異名もある。ミゾソバに対し、地面に張り付くように咲くので、春風には小刻みに揺れる。鮎が終わる頃にミゾソバが咲き、ヤマメが始まる頃にオオイヌノフグリが咲く。なんだかもう春が待ち遠しい。

どうだこの造型と色彩。毎秋、感動している。

神は細部に宿り給う。ホントに。花は5mm以下。

草花ではこれを超える花はない。嗚呼、春よ来い。

朝、丸ごと落ちる花を集めて戯れに遊ぶ。

by 江副 直樹 2019-10-15 3:03 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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