
癒しと興奮の間で。
2011.4.7向かいの山に山桜の大木が2本。ソメイヨシノより白が強い花びらが次々と開いている。
桜が咲く頃は、ヤマメの棲む渓流も、徐々に賑やかさを増していく。温暖な九州は、ヤマメ釣りは春が最良の季節である。特にフライフィッシングには、3月と4月はハイシーズン。1年で、最も気候が気に掛かる時節。仕事中もついつい気もそぞろになりがちだ。
僕が好むのは、ドライフライという水面に浮かせる毛鈎。ヤマメの餌となる水面を流れるさまざまな虫を模した、これまた多様な毛鈎をお目当てのポイントに運び、水中から躍り出る良型に自分の運命を委ねる。人のいない川の畔は、確かに人心を癒してくれるが、その実釣り人の胸の内は、打ち震えるような興奮にさいなまれているのである。
渓流を歩いて、美しいヤマメを手にすれば、得も言われぬ感慨が全身を貫いて、心は平静を取り戻すが、たちまち次の期待が膨張して、勝手に幸運の予兆が高まっていく。癒しと興奮の間を行きつ戻りつ。日本中の釣り人がきっと同じ気分に生きているだろう。東北はこれから雪代が出て、その後最盛期を迎える。彼らにも本当の春が訪れますよう。
生協絡みの仕事がますます忙しく難しくなってきた。相手に不足無し。望むところだ。
by 江副 直樹 2011-4-7 22:10