
瑞穂の国から。
2012.9.21今朝は寒くて目が覚めた。つい先日まで窓は開けて寝ていたのに。季節はなにより着実。
暑い暑いと言っていた盛夏を過ぎ、秋の気配を流れ込み始めると、毎日見ていたはずの風景の変化に気づく。例えば田圃。わが家の前には棚田が拡がっているのだが、目を凝らして日々の変化を追っているわけでもなく、ときどきその確かな成長に驚かされる。
田植えの後、まだ小さい苗だと思っていたら、徐々に背は高くなり、株は日に日に太り、張られた水は見えなくなり、畦ギリギリまで密生してくる。周辺の木々と合わせるように、葉の色もわずかながら濃くなって、蝉時雨の頃には膝あたりまで伸びてくる。その時季の僕は、川と鮎しか見ていないのか、なんとなく視界の端の方に捉えているだけなのだ。
初夏、若い瑞々しい苗が風にそよぐ様もいいが、黄金色に染まる初秋の田圃も捨てがたい。そんな季節、鮎釣りはもはや終盤で、数は出なくなり、落ち鮎となる前の大型に望みをつなぐ切ない釣りが続く。納竿もそろそろと覚悟を決める頃、田圃はいつの間にか頭を垂れる稲穂で埋まっている。標高の高いところでは早くも稲刈りが始まるのである。
明日は淡路はたらくカタチ研究島で、経過報告を兼ねた交流イベント。何が起こるか。
by 江副 直樹 2012-9-21 17:05