朝霧恋し。
2017.11.1日田に住むようになって、新たな体験がいくつかあったが、冬季の朝霧はそのひとつ。秋が深まる頃、日によって淡いグレーの霧が広がるようになる。当初は、今日は霧の日なんだと思っていたら、徐々に太陽が現れて、いつの間にか見事な快晴になって驚いたものだ。
この時期、起床時はあたりは真っ暗。それが徐々に白み始めると、広がる霧が見えてくる。いつもの風景は、オブラートに包まれたようにぼかされている。心なしか鳥たちのさえずりも聞こえず、霧の朝はとても静かな時間でもある。朝の散歩は日課だが、霧の日はいっそう楽しい散歩になる。霧は濃ければ濃いほどいい。いつも以上にワクワクする朝。
霧は、夥しい微少な水滴が空中に浮遊した状態だ。辺りの草木は、それらの水滴を身にまとい、限りなく瑞々しく佇んでいる。僕が着るウェアもゴアテックスのアウターが最善。でなければ、歩き回っているうち、そこそこ濡れてしまうのだ。身支度を万全にして、歩き始める。思考の巡りもいつもとは異なり、幽玄の世界を彷徨うような心持ちに包まれる。
by 江副 直樹 2017-11-1 15:03