晩秋の絢爛。
2019.11.28毎年のことである。夏が終われば秋が来る。炎暑が過ぎれば涼風が吹く。下がる気温が木々を染める。次いで落葉が控えている。赤がある、黄色がある。何十回も経験しているのに溜息が出る。何度も見ていても嘆息がある。晩秋の絢爛。四季折々の国で良かった。
実を言えば、今年の紅葉はいまひとつ。気温推移の諸々が影響をして、始まりも遅かったし、色の鮮やかさも昨年のそれには及ばない。けれど、それでもある時期から急激に進んで、我が家の周りもモミジやイチョウが次々に染まっていった。ここに暮らして早6年目。どこにどんな木があり、どんな変化を見せるのかもおおよそ掴んでいる。となると。
今朝、このモミジがこの感じなら、奥の院は次の週末がピークだろうとか、あそこのイチョウはきっと来週あたりに色を強めるなとか、なんとなく予想が働いて、毎日の散歩がいつも以上にときめくものになる。期待通りのこともあれば、そうならないこともあって、ドキドキはずっと続く。見上げて、踏みしめて、今年も秋が終わる。この移ろいが愛おしい。
by 江副 直樹 2019-11-28 2:02