急がば廻れ。
2018.9.21紆余曲折、試行錯誤、曲走、道草、などなど。目的に向かって一直線に進まないことを表現する言葉はいくつかある。目的への最短距離は直線になると思いがちだ。ある観点からはそうかも知れない。だが、それ故に取りこぼしている何かがあるように思えてならない。
効率は確かに重要だ。いたずらな非効率は我慢ならない。しかしだ。豊かな結末を期待するなら、プロセスには可能な限り厚みを持たせたほうがいい。目に見えて必要な栄養だけを摂取するような性急さでは、真に健康な身体は作れないのと同じ。即効性を求め過ぎると、組成は勢い脆弱にならざるを得ない。一見無用とも思える休息や寄り道が後に効いてくる。
こっちへヨロヨロ、あっちへフラフラ。役に立つかどうかなんて考えず、面白ければ良しとして、進んで廻り道をする。使う筋肉だけを鍛えるんじゃなく、全身を万遍なく強化する。専門知識ばかりを追わず、文学や芸術まで味わう余裕。それで手にする成就は、きっとより質を伴ったものになる。この世に無駄などない。立ち止まり、道を外れようじゃないか。
by 江副 直樹 2018-9-21 10:10