
巣立ちの頃。
2016.4.2我が家の周辺の桜は、ピークを越えた。今度は桜吹雪だ。
この春、長男が高校に進学した。小学生の頃から、高校から海外留学だと言い続けていたが、国境こそ越えないものの、家は出ることになった。大分市内の進学校に、スポーツ推薦でお世話になることが決まったのである。家族も本人も、予想を超えた展開だった。
長男は、前に住んでいた過疎の村で生まれ育った。毎日4kmの道を歩いて通学した。農家に住み、自然の只中で暮らしたが、縁あって家族共々、中学から現在の日田市に移った。スポーツ少年でもないのに、小学校から続ける水泳で好成績を出し、思わぬ進路が開けた。海外じゃないが、ひとり暮らしが始まる。バタバタと準備をし、あっという間にその日が来た。
溺愛をしない親だと思う。特に僕は淡々と、でも友達のように付き合っている。高校そばの新居への引っ越しを手伝い、帰る際に握手をした。ヤツは照れたが、それまでのどの握手より強く握られた。思わず落涙しそうになった。予期せぬ心境。帰路もその気分が続いた。もう一緒に住むことはないのか。健康に気をつけろ。うんと本を読め。息子よ、また会おう。
感傷に浸る間もなく、東京へ。筒井花火のこの夏のイベントの打ち合わせ。
by 江副 直樹 2016-4-2 22:10