
小規模と非集中。
2011.3.29冬枯れの風景に、少しずつ緑の割合が増えている。東北にも春は来ている。必ず。
この度の震災と津波は、原発問題を伴ったことで、より根源的で長期的な禍根を残した。これまで世界と日本を覆っていたある種の価値観に対する深い疑念。大規模と一極集中という思考のベクトルへの生理的拒否感が、今更ながら強まっている。
何かを大規模に集中させることで生まれるスケールメリット。それが長らく信じられてきた。生産と物流、組織の運営、行政の区割、そしてエネルギー。効率向上はもちろんあるが、それだけがあまりに強調されすぎているように思われる。裏に隠れたリスクもまたメリットに比例して大きくなる。そんな簡単なことを忘れていないか。
多様であること、分散することの健全を、今一度真剣に考えた方がいい。 大きくまとまらず、独立した小の群れで、全体を構成した方がいい。 暮らし方すべてを再考する好機。衣食住さまざまな領域において暖めてきたさまざまなアイデア。この国の本質的変化を、プロデュースという仕事を通じて、少しでも実現したいと考えている。
年度末なんて関係ないと思っていたが、なんのなんの怒濤と呼びたい先週と今週である。
by 江副 直樹 2011-3-29 22:10
タグ:考察