大雨の災禍。
2012.7.4降り続く雨。雨量の峠は一向にやって来ない。とっくにうんざりを通り越している。
記憶では、田植えのシーズンに入っても、雨はほとんど降らず、近隣の農家はやきもきしていた。それが、入梅とともに雨雲は頭上にどっかと腰を下ろすことが増え、しかも一旦スイッチが入ると恐ろしくなるような降り方をする。雨足は、この朝も弱まらなかった。
前夜から降っていた雨は、明け方になるとさらに勢いを増した。それまでも充分な雨量で、谷川は溢れんばかりだったのに、飽和点を超えてあらゆるところに水が溜まり始めた。しばらくすると、道という道が、カフェオレ色の濁流に覆われていき、尋常ではないことを予感させた。気づけば谷川が氾濫している。緑の田圃までが、流れに呑まれていった。
長男をスクールバスに送る頃には、 身体の奥の方がざわざわと音を立てていた。緊張感が高まっていく。ただ事ではない。道路を岩が転がり、丸太が流れていく。家の周囲を見回ると、裏の溝が溢れている。そして、石垣が崩壊し土砂が壁の間に溜まっているのを発見。土間には泥水が流入し始めた。「被災」という言葉が、にわかにリアルになっていく。
結局、久留米市内に家族で一泊。その後、村内のお寺に避難させていただいた。
by 江副 直樹 2012-7-4 22:10