
冬を越す。
2012.1.19朝、前日からの雨が静かに降り続いている。山暮らしのいい時間のひとつ。
春になれば山川草木、すべてが元気になる。徐々に精気が満ちて、枯れ野に鮮やかな緑が芽吹き始める。生きとし生けるもの、例外なく生を謳歌し始める。しかし、その準備は季節が冬に入る頃にはすでに終わっている。新しい季節は決して唐突には始まらない。
分母庵の回りには、多種多様の落葉樹が茂っている。夏、濃緑の枝葉を揺らしていた木々は、秋に葉を落とし切る頃、それらはしばらく休眠に入るように感じられる。しかし、驚くことに、その枝々にはもう、翌春に向けて葉芽や花芽がしっかり蓄えられている。休んでいるように見えて、内部では次期へのバネが引き絞られているのである。
僕は生来怠惰なので、準備万端、段取り完璧とは、なかなかならないのだが、考え続けることにおいては、複数のお題を脳内で転がし、いじくり回している。その思考のプロセスは、たくさんの引き出しの中に収納され、発酵過程に移っていく。そして、ここぞというときに適切な引き出しを開けるイメージ。真冬の木々を見て、そんな連想をしてみた。
明日は元気計画で某研究会が卒業を迎える。感慨深い。夜は、PTAの次期役員決め。
by 江副 直樹 2012-1-19 22:10