五里霧中。
2015.2.6昨夜からの雪が残り、白い朝となった。音が消える雪の朝が好き。
盆地気候の日田は、霧が多い。なかでも朝霧。夜が明けるとまわりはすべて霧の中。村暮らしでも経験したが、大分日田はもっと日常的。周囲だけがぼんやり見えるが、遠くは白と言うより、淡い灰色に覆われる。視界は遮られるが、これはこれで悪くない。
五里霧中などと言う言葉がある。将来が見えづらいことを表しているのだが、冷静に考えてみれば、僕らの毎日って、そうそう明日がはっきりと見えているわけではない。いつも霧の中を進んでいるようなものかも知れない。それでも、先の見えている道を歩いているように思えるのは、抽象思考という特質を持ってるからだ。アタマの中に風景が描かれる。
プロデュースは、本を後ろからめくるような仕事と表現されることがある。アタマの中の微かな、ほんの煙のようなアイデアが、寄り集まって肥大化する。その度に新たな視界が現れる。妄想との境界も曖昧な、ボンヤリとしていながら、朝陽に輝く山頂がくっきりと見えたりするプロセス。山頂からルートを辿り、登り口を見つけるような。人生は霧の中。
今日は雪の中、なんとか空港まで辿り着き、東京日帰り。慌ただしいなあ。
by 江副 直樹 2015-2-6 22:10