ホタル散歩。

GWが終わってしばらくすると、この時季ならではの愉しみが訪れる。ホタルだ。日田に越してくる前に住んでいた隣村では、山上に住まいがあったこともあり、周辺にはたくさんのホタルが飛んでいた。街に近くなる新居では、もう見られないかもと覚悟をしていた。

あにはからんや、家横の細流にも、それが流れ込む疎水にも、家から徒歩5分の市役所の横にさえ、ホタルは飛んでいた。うれしい驚き。以来、この季節になると、夜毎の散歩が習慣になった。食事を終えた20時過ぎ、ほどよい酩酊のうちに家の周囲を歩く。隣の弓道場の灯りが消えれば、闇はさらに際立って美しい明滅が浮かび上がる。なんと言う不思議な虫。
緑黄色の光は、熱を一切発しない冷光と呼ばれる仕組みで、もしこれを人工的に再現できたら、ノーベル賞間違いなしと高校の生物のS先生が教えてくれた。熱抵抗のない照明は、人類が抱えるエネルギー問題を大きく改善するのだ。夜風に当たりながら、時にそんなことを考えながら、ゆっくり歩く。ピークは2週間ほど。今季も可能な限り堪能するつもりだ。

ホタルの撮影は難しい。やっと撮れた一枚。