エスプレッソ哀歌。
2012.8.15差すような真夏の日射し。天気だけは絶好の鮎釣り日和だが、川は生憎の増水。
コーヒーが好きである。そんなに大上段に宣言することでもないが、毎日飲まない日はない。濃いめのコーヒーが好みで、中でもエスプレッソは最上。カフェで出てくる、専用マシンが搾り出す少量に砂糖を溶かし込むのもいいが、普段はもっとカジュアルに。
分母庵では、もう7〜8年、デロンギの卓上マシンを愛用している。毎朝、階下に下り、僕がスイッチを入れる。日課の食器拭きを終える頃には、スタンバイされているから、おもむろに1杯を抽出する。多少耳障りなグラインダーの音はすぐに消えて、注ぎ口から泡立った濃茶の液が落ちてくる。それを愛用のカップに受けたら、2階の机に向かうのである。
その大事なマシンが壊れた。致命的な故障かも知れず、メーカーに送らなければならない。問題は、今日のコーヒーだ。女房が以前使っていたカリタの手動グラインダーを持ち出した。非常用のドリッパーも用意されて、なにやら厳かな儀式のごとくなってきた。ウサギ印のポットも登場。時は夏休み。豆挽きとドリップは、子供たちのバイトと化している。
一瞬でも仕事から遠ざかるのはいいことだ。全体観、そもそも感が磨かれる気がする。
by 江副 直樹 2012-8-15 21:09