どこを見るか。
2021.1.13仕事の仕方の話である。どこを見て課題を把握し、解決のアイデアを出すか。このスタンスで、およそプロセスと結果は決まる。多くはクライアント=依頼主を見ながらだろう。直接的な発注者だし、目の前に現れる打合せ等の相手だし。勢いそうなりがちかもしれない。
だが、ここがやっかいな落とし穴で、本当に対峙すべきなのは、クライアントの向こうにいる消費者や世間であり、課題の在処だって必ずその周辺のはずなのだ。でも、話をくれたのは眼前の担当者や社長だし、肝心のお金を払ってくれるのもその会社や行政だ。だから、ついつい提案もそこへ焦点が合ってしまう。多くはめんどくさくて、そのまま仕事を続ける。
すると何が起こるか。発注者が抱えている課題は、彼自身の課題ではなくて、彼の仕事の更に先にある他人の諸問題だ。アイデアは、提案は、そこに向けて考えられるはずだし、それが結果的に解決に繋がるし、最終的に発注者の仕事を助けることになる。短絡反応を起こさず、真の解決に至るためには、またもや抽象思考が大切になるという、いつもの繰り言。
by 江副 直樹 2021-1-13 23:11