
そこは大原山。
2019.6.24日田にいるときは、毎朝散歩をする。境内のような場所に住んでいて、起床後ひとここち着くとやおら外に出る。目の前の大階段は117段。こんもり繁った森の中に伸びており、そこへ向かって歩き始める。少し息が上がって、深呼吸をする頃には心身は完全に覚醒する。
毎日のことなので、礼拝することもなく本殿の前を通り過ぎる。掃除のおじさんと目が合えば、朝の挨拶を交わす。他に人がいることは希だ。今なら、ビーサンで石畳や砂利を踏みしめながら境内を抜ける。ここ大原八幡宮が建つ場所は、小高い山の上。本殿の裏を1本の車道が横切っており、ここが僕の散歩道であり、ジョギングコースでもある。日常の道。
神社の東側には、小さな山寺がある。その横にも細い山道のような参道があって、ジョグの時はここを上がってスタート地点に向かうことにしている。ある日、その道沿いに古い看板があることに気づいた。大原山と書かれていた。名があったのだ。僕が毎朝登っていたのは、大原山だったのか。なぜか愉快な気分になった。鎮守の森は今日もそこに佇んでいる。
by 江副 直樹 2019-6-24 3:03