か細くも頼もしき。
2011.7.28川にいるときは爽やかささえ感じる灼熱が、ビルの間にいるときはただ不快にとどまる。
都合8年ほどをISDNで我慢していた頃、村にADSL網が広がることになった。ハイコストの光を無理に望まなくとも、相対的に充分早いネット環境が手に入れば納得。村内にADSLが行き渡った。それからわずか2年、ついに山上の分母庵に光ケーブルが繋がった。
思えば、インターネットの普及による社会の劇的変化を描いた、A.トフラーの「第三の波」を読み、田舎暮らしへの願望が芽生えたのが、いまからおよそ30年前。ISDNでさえ、その実現に支障はなかったのだが、ブロードバンドの進化と普及は続いた。気づけば、日本は世界で最もBBが浸透した国となり、2年前には英BBCの取材という椿事もあった。
ネットがなければ、いまの生活はあり得ない。ネットが支える田舎暮らしでもある。俗にライフラインと言うが、電気や水道、道路に加えて、いまやインターネットもまごうことなきそれになっている。電柱を伝って、高速の光ケーブルがこんな山村にまで届く現実。世界との距離は、大都会となんら変わらない。 か細くも実に頼もしい生命線なのだ。
今週後半は、朝から夜までびっしり。日曜からはいつもの温泉宿に逃げ出す算段。
by 江副 直樹 2011-7-28 22:10