雨で捗る。

毎年、3月になるとヤマメが解禁になる。5月迄は隙を見つけてはフライロッドを持って渓流に走ることが増える。次いで、6月から9月末頃迄は、鮎の友釣りがスケジュールに強引に捻じ込んでくる。加えて、週数回はジョギングをしている。勢い時間は亡くなっていく。

僕の場合、雨が降ると仕事が捗るのだが、そのわけはこの辺にある。特に早春から初秋にかけて、降り込められて家に居ざるを得ないときは、じっくりと仕事ができる。土砂降りなんかだとすっかり諦めも付いて、脇目も振らず没頭できる。こころは安定し、アイデアも面白いように浮かんでくる。夕方、今日はこんなに進んだのかと我ながら驚くことがある。
雨が降ったほうが仕事が捗る職業って、そんなにないと思う。あ、職業とは関係ない。ひとえに暮らしぶりの問題か。もっとも、事情は10月に入った途端ガラリと変わる。大学で後期授業だけを受け持っていることも、ここに由来している。春から夏は釣りで忙しいと正直に申し上げたらこんなことになった。理解あるM教授には、いまも足を向けて寝られない。

土砂降りの朝。あーあ、ダメじゃねーかこりゃ。