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寒はわずかに緩んだが、氷が目立つ大原周辺。ダウンセーターが快適。

いまの家を建てるとき、建築家に投げたオーダーは、「明るすぎない家」だった。南向きの陽が当たる、窓の大きな明るい家。これが、世間一般の通り相場かも知れないが、ガラスがたくさんあって、隅々まで光が行き届くような家は、僕はご免被りたい。

こんなことを思うようになったのは、きっと12年間の山村暮らしが影響している。築80年の農家に棲み始めたとき、その闇の深さと暗がりの多さは、とても新鮮な体験だった。ある新月の夜、車庫でクルマのライトを落とした途端、あたりはまったく見えなくなった。大袈裟でも何でもなく、手探りで進むしか方法がなかった驚き。本当の闇とはこうなのだ。
家に入っても、その暗さに戸惑い、蛍光灯を白熱灯にしたときも、100w中心に付け替えた。ところが、不思議なもので、暮らしていると徐々に慣れてきて、眩しく感じるようになり、100wは60wになり、最後は40wで落ち着いた。いつの間にか、適度な暗がりの配置と間接照明の柔らかさが当たり前になっていた。闇は遠ざけ過ぎないほうがいいと思う。

大阪MEBICで始まった5週連続講座。大盛況の内に早くも3回目。楽しい大阪通い。

表の道まで行くと、天気のいい夜はこんな風景が見える。手前の闇があるからこその夕焼け。

普段は点いていない玄関灯。こんな具合だから、夜空の星も思いの外よく見える。

屋内は間接照明が中心。常夜灯を兼ねる階段。夜、ここに座って小窓から外を眺めたり。

夜の闇が薄れて、夜明けが訪れる。曙光が荘厳に感じるのも、夜があったせいだろう。

 

 

 

 

by 江副 直樹 2015-2-10 22:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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