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さまざまな情報が溢れている。多様なメディアから、奔流のように押し寄せる夥しい言葉。僕らは、それを取捨選択しながら、日常や未来をかたちづくり、今日を生きている。そして、それらの言葉には、素直に受け取れるものと、そうじゃないものがある。

正しいかどうか、にわかに判別しがたくとも、なぜか腑に落ちて、奥底まで沁み入る言葉と、論理的には正しいはずなのに、知らず知らず弾いてしまう言葉がある。先頃、友人からもらった「暮しの手帖」のバックナンバーをめくっていた。しばらく読んでいなかったのだが、いくつものページで心地よく頷いている自分に気づいた。この感じ、以前にもあった。
30年以上前、コピーライター専業の頃、片っ端から雑誌や本を読んでいた。特に、デザインに興味が募り、乱読に次ぐ乱読。その中で、多くのデザイン誌に付きまとう身内贔屓と提灯記事に違和感を覚えながら、出会った今は亡き「室内」。あくまで客観性を失わない姿勢に強く共感した。時流を追わず、本質を究めようとするスタンス。心地よさはこれだったか。

大阪の鰺坂くんにいただいた。表紙は牧野さん。

by 江副 直樹 2021-6-20 13:01 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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