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視点の移動。

2022.6.27

企業にしても自治体にしても、僕ら外部の人間がお手伝いするメリットは、その専門性よりも実は圧倒的に「客観性」だと考えている。組織内の皆さんとは違う視点を備えていることが、実は外部ブレーンの最大の存在意義なのではあるまいか。それほど客観視とは難しい。

相手の立場になって考えろ。子供の頃からよく言われてきた。英語でも他人の靴を履くという言い方があったと思う。しかし、大人になって、さらに仕事の現場などでは、意外にもそれは困難な様子で、自分が置かれた領域やいつの間にか育った主観に、がんじがらめになっている方々をたくさん拝見してきた。ひとつの状況は、視点を変えれば必ず違って見える。
いわゆる視点の移動は、縦横無尽にできる。対岸に飛び、上空に上がり、性別を換え、時代を超える。だが、常識に固執すれば、それは一気に遠のく。柔軟さの保持が絶対条件になる。もっともこれは今に始まったことではない。骨董の世界で言われる「見立て」などは、まさにそれ。再解釈によって対象の価値を見直す視点の移動だ。ゆめゆめ忘るるなかれ。

他人と違う視点を持てば、他人とは違う未来が。

by 江副 直樹 2022-6-27 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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