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東京は涼しかったが、昨夜戻った福岡は梅雨にたがわぬ湿度と気温。暑い。

大分日田市の仮住まい。周辺は住宅が多いのだが、市内と言ってもそこは地方都市。田んぼや畑がそこら中にある。数は少ないがホタルが飛んでいたり、細流にも魚がたくさん泳いでいたり、所詮田舎の域を出ていない。当然季節になれば、田植えの準備が始まる。

春、空き地のように見えた区画に、ある日トラクターが現れ、たちまち土を掘り返し、しばらくすると水が張られ、続いて若苗が運び込まれる。風景はいつの間にか農村のそれになり、ある週末、満を持して田植えが始まる。田によっては、明らかに親族総出で田に入るところもある。色白の助っ人が多いのは、分母庵のある村の棚田とは違うところだ。
稲の成長は想像以上に早い。頼りないほど小さく細かった苗が、日毎に逞しくなり、梅雨が明ける頃には、張られた水が見えないほど大きく繁る。冬の間、空き地然としていた場所の風景は一変、密生する緑の稲が風にそよぐ見事な水田に変わる。そうこうしていると、夏は余熱を残しながら過ぎて行き、黄金色の田は稲刈りを待つばかりになるのである。

今日は学校の後、また新たなご相談。ありがたいことだが、キャパはもう余裕がない。

整然とならぶ苗。

機械植えならではの整然な稲の列。引き込まれた水が澄むと田植え終了の感。

田植え後一週間。

水面に映り込むのは、山影ではなく周囲の住宅。村の分母庵とはここが違う。

雨が育てる。

遅れ気味に手植えで植えられた田。そこに雨が降り注ぎ、馴染ませていく。

住まいの裏にも。

ベランダに延びるゴーヤのカーテン越しに水田が見える。やはり、ホッとする。

 

 

 

by 江副 直樹 2013-7-3 22:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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