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行間を掬う。

2021.8.18

わからないことの方が多いはずだ。いや、この世界の話だ。新しく現れる分析や論説、方法論に違和感を覚えることが度々ある。科学や哲学は、それを解き明かそうとする行為だとして、ことビジネスの領域では結論を急ぐが余り、拙速になりがちな印象を受ける。

その証拠に、しばらく時間が経つと消えていくものがある。流行廃りの波に飲まれるものは、結局普遍には届かなかったということだろう。人間の理を伝える古諺や慣わしは、時代が大きく変わっても社会の中にしっかり根づいている。違いは何か?その理由を考えていくと、行間まで抱えたか、切り捨てたかに尽きるような気がしてならない。見えない何かを。
僕は何を軸に、日々を生きているんだろうと立ち止まることがある。欲に引かれた雑多な営みを除けば、この世の仕組みを少しでも理解し、納得したくて、あれを覗きこれを覗いて長考を続けていると思えてくる。見えないものを必死で見て、ひたすら感じて、言わば行間をしきりに掬おうとしていると思い至る。悠々と急げ。作家開高健氏の至言を思い出した。

夏の仕事場。見えないものは感じるしかない。

by 江副 直樹 2021-8-18 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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